豪ドル相場が大幅上昇、オーストラリアの雇用統計の内容を素直に好感

　本日（12月10日）、午前中の外国為替市場において、豪ドル相場が大幅に上昇しました。

　今回、豪ドル相場が大幅上昇した要因は、朝方に発表されたオーストラリアの雇用統計の内容です。まず、2015年11月の雇用者数は前月比７万1400人増と、前月から増勢が加速し、前月から減少すると見込まれていた市場の事前予想を大きく上回る内容でした。一方、11月の失業率は5.8％と、２カ月続けて前月から低下し、上昇を見込んでいた市場予想に反し改善しました。

　そして、雇用統計発表前、１豪ドル＝87.0円台で推移していた豪ドル相場は、統計の発表後、一時、１豪ドル＝89.0円台まで上昇しました。雇用環境の良好ぶりを示す雇用統計の内容を素直に好感した格好です。

　もっとも、現状、外国為替市場では、原油価格の下落や中国経済に対する先行き不透明感を背景に、リスク回避姿勢も強まっているようです。このため、安全通貨と見なされた円を買う動きも優勢となっていることから、引き続き、円高圧力は漂っていると考えられ、上昇一服後の豪ドル相場は、方向感を探るような展開を見せています。