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日本の経常収支、5カ月連続の黒字。貿易・サービス収支の赤字幅縮小、第一次所得収支の黒字幅は大幅拡大 [経済指標・イベント]

 財務省から直近の国際収支統計が発表されました。それによると、2014年11月の経常収支(海外とのモノやサービスなどの取引状況)は4330億円の黒字でした。日本の経常収支が黒字となるのは5カ月連続であり、前年同月の赤字から黒字に転換しました。

 まず、「貿易・サービス収支」は9831億円の赤字でした。32カ月連続の赤字であり、前年同月から赤字幅は縮小しました。「貿易・サービス収支」のうち、「貿易収支」が、6368億円の赤字でした。貿易収支が赤字となるのは17カ月連続であり、前年同月から赤字幅は縮小しました。

 また、「貿易収支」の内訳を見ると、まず、輸出は6兆3221億円(前年同月比10.8%増)と、前月の同11.2%増から増加幅縮小となったものの、2ケタ台の増加率を維持しました。輸出の増加は21カ月連続です。一方、輸入は6兆9590億円(同2.2%増)でした。輸入の増加は6カ月連続ながら、増加幅は、前月の同7.4%増から一段と縮小しました。

 今回は、輸出が2ケタ台の増加を維持した一方、輸入の増勢が大きく鈍化し、輸出額が輸入額を上回ったことから、貿易収支の赤字幅は縮小しました。

 続いて、旅行や輸送の動向を示す「サービス収支」を見ると、11月は1063億円の赤字でした。「知的財産権等使用料」の黒字幅が拡大し、11月として過去最大を記録したほか、「旅行収支」の2カ月連続の黒字などが寄与し、「サービス収支」の赤字幅は、前年同月から1418億円縮小しました。

 ちなみに、11月に日本を訪ずれた外国人の旅行者数は同39.1%増と、前月の同37.0%増から増勢が加速し、2ケタ台の増加率を維持すると同時に、11月として、過去最高を記録しました。一方、出国した日本人の数は同3.4%減で、6カ月連続で減少しました。

 また、海外から受け取る利子や配当などの動向を示す「第一次所得収支(かつての「所得収支」に該当)」を見ると、11月は1兆2760億円の黒字でした。前年同月から黒字幅拡大となり、11月として、過去最大の黒字額でした。

 直接投資に係る再投資収益の受取が増加したことなどから、直接投資収益が増加したほか、証券投資に係る債券利子の受取が増加したことなどから、証券投資収益も増加しました。

 このように、11月の国際収支については、「貿易・サービス収支」の赤字幅縮小に加え、「第一次所得収支」の黒字幅が大幅に拡大したことから、「経常収支」が黒字転換しました。
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